前科や前歴がある場合などは,厳しい処分が下りがちです。
また,初犯でも近年,厳罰化の流れにありますので,注意が必要です。ただ,効果的な弁護活動によって,最終処分や身柄解放などの結果が変わってくる場合があります。
詳しくは,下記実例1〜8をご覧ください。
1. 未成年者へ路上で痴漢行為をした容疑で現行犯逮捕された事件
相談後,直ぐに家族の身柄引受書,被疑者が定職に就いているその他の資料を取得しました。勾留請求がされたのは休日でしたが,当直の裁判官に意見書の提出し協議の申し入れをしました。
その後,検察官の勾留請求を却下して頂き,身柄解放をして頂くことが出来ました。
釈放が遅れれば,親族や職場に痴漢容疑での逮捕の事実を知られてします可能性がありました。しかし,逮捕から2日(ご依頼頂いてから27時間)との早期の釈放により,親族や職場に痴漢容疑での逮捕を知られずに済みました。
2. 万引きで逮捕された事件
同種の前歴が2回あった事案で,犯行態様も悪質だったことから当初の厳しい処分となる見通しでした。しかし,被害店舗の店長との間で被害品を買い取ることでの示談が成立しました。
その結果,身柄が解放されることになり,略式起訴で比較的な罰金で終わることが出来ました。
3. 未成年者に電話内で痴漢行為をした容疑で現行犯逮捕された事件
同種事犯の罰金前科が2回あり,今回,懲役刑の可能性があった事件について,被害者に対して謝罪文を送付しました。
その後,被害者と直接面会の約束をし,保護者同伴の下で示談をすることに成功しました。
その後,被害者に十分な示談金を支払ったこと,具体的な再発防止策や被害者の希望を取り入れた示談内容も評価して頂き,不起訴になりました。
4. 借金の返済の代わりに銀行口座通帳とキャッシュカードを作らされてしまった事件
銀行口座通帳とキャッシュカードの譲渡目的の作成(詐欺罪)
ギャンブルで借金が出来てしまい、闇金からお金を借りてしまったため,返済が出来ないと家族の職場に連絡するなどと脅されての犯行経緯がありました。
被疑者のこれまでの職歴などから真面目な性格で更生可能性があることを認めて頂き,執行猶予付きの判決となりました。
口座譲渡については最近厳しい判断がなされていますので注意が必要です。
5. 交通違反をして逃走していた際に,警察官に怪我をさせてしまった事件
怪我をされた警察官に謝罪文を送付しました。
その後,弁護士が現場の状況を写真撮影するなどをして,法廷でも,被疑者の母親に証言台に立って再犯防止と今後の監督を約束して頂き,執行猶予付きの判決になりました。
6. 違法な客引きをさせたとしてクラブの店長が現行犯逮捕された事件
逮捕された店長は,客引きを頼んだことはないと容疑を否認しておりました。そのため,直ぐに身柄引受人に連絡を取り,裁判官と直接面会しました。
裁判官との面会の際に,警察の逮捕のタイミングが早すぎるため,誤認逮捕のおそれがあること,客引きの供述の信用性が低いことを指摘しました。
その後,勾留請求が却下され,身柄が解放されました。
7. 酒に酔ってタクシー運転手に暴力を加えたため、現行犯逮捕された事件
逮捕された被疑者は、酒に酔っていて暴行自体をよく覚えていない供述していました。
勾留が長引くと仕事にも影響があるため、被疑者やその家族が早期の釈放を希望し、被害者と示談する方針を定めました。
タクシー会社及び運転手と、車の修理代、運転手の治療費や休業損害について、一部示談を成立時させたところ、身柄が釈放されて、その後、執行猶予の付きの判決になりました。
8. 電車内での盗撮の容疑で、現行犯逮捕された事件
逮捕された被疑者は盗撮はしたが画像を確認していないためどのような状態の画像が残っているのかわからない、焦っていたのでよく覚えていない供述していました。
勾留が長引くと仕事にも影響があるため、被疑者やその家族が早期の釈放を希望し、被害者と示談する方針を定めました。
被害者と示談を成立時させたところ、身柄が釈放されて、その後、不起訴処分になりました。