性的姿態撮影等処罰法の施行(令和5年7月13日から)
迷惑防止条例違反とは異なり、性的姿態撮影等処罰法では撮影の他にも画像等の提供行為(配信やアップロードを含む)も処罰の対象となります。
痴漢・盗撮の容疑で逮捕された場合の注意点。
ほとんどの事件が、迷惑防止条例違反の容疑になりますので,逮捕後に勾留されない場合には被疑者国選対象外になる可能性があります。
つまり、起訴されるまで国選弁護人が付かない可能性があるのです。
そこで、不起訴を望む場合には、示談交渉などに私選弁護人を頼む必要があります。
※強制わいせつ罪にあたり、勾留される場合や被疑者国選の対象となる可能性もあります。
逮捕された方が正社員や契約社員、アルバイトでも長期間の雇用がされているなど定職がある場合や学生である場合には、身柄拘束による弊害が大きく、両親や妻、雇用主が身元引受人となって、弁護人が勾留請求時に検察官や裁判官に被疑者に有利な事情を具体的に説明することで,「容疑を否認していても」早期に釈放される可能性もあります。
※被疑者の対象事件拡大の制度変更があり迷惑防止条例違反でも勾留された場合には被疑者国選事件の対象となります。
そのため、痴漢・盗撮事案で検察官に送致されたのち勾留決定がされた場合には全件被疑者国選の対象になる制度に変更になりました。
しかしながら、逮捕直後には国選弁護人は選任されませんので、勾留前に示談活動等を希望する場合には、私選弁護人を頼む必要があります。
早期の身柄解放の必要性
痴漢、盗撮については、裁判所も被疑者を身柄拘束することに慎重になってきております。ですので、『認めた方が反省しているということなり、直ぐに釈放されるのではないか』と、早く解放されたい一心で、やってもいない痴漢、盗撮を認める必要は全くありません。
早期に弁護士が面会して、被疑者に状況の説明をして、身柄解放に向けて活動することが冤罪の防止や早期釈放をするために必要になってきます。
当事務所でも、痴漢や盗撮の容疑で逮捕された被疑者についてご依頼頂いて、親族の身柄引受書、本人の誓約書、弁護人作成の本人の供述調書を提出して釈放された事例があります。
映画「それでも僕はやってない」の公開後、痴漢や盗撮の否認案件であっても、逮捕後に裁判開始までの身柄拘束を原則として認める、いわゆる人質司法と評されていた刑事司法実務が見直されて、原則的に、逮捕後に勾留を認めない方針になっているとの見方があります。
示談の注意点
被害者の連絡先は被疑者の関係者にはわからないことが多いです。
そこで,弁護士に依頼して担当の検察官対して,被害者に示談の申し出があることを伝えて弁護士限りで連絡先の開示を受けて、弁護士から被害者に連絡をする必要があります。
被害者と示談が成立すれば,痴漢事件・盗撮事件について,不起訴(起訴猶予),略式起訴で罰金など,正式な裁判をしないで終わる場合もあります。
特に,被害者が未成年者である中学生や高校生等である場合には,親権者との示談交渉において慎重な配慮が必要になります。