わいせつ目的面会要求罪の施行（令和５年７月１３日から）
「わいせつ目的面会要求罪」（刑法１８２条１項２項）
１６歳未満に金銭提供を約束して手なずけるなどし、面会を求める行為を処罰対象としました。
⑴ 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
⑵ 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
⑶ 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
「映像送信要求罪」（刑法１８２条３項）
性的な画像や動画を求めた場合はで処罰対象となりました。
⑴ 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
⑵ 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部（陰茎を除く。）又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位（性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。）を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。
未成年者との淫行の容疑で逮捕された場合の注意点。
わいせつ目的面会要求罪・映像送信要求罪・青少年保護育成条例違反、児童福祉法違反、児童買春・ポルノ禁止法について逮捕後に勾留されない場合には被疑者国選対象外になる可能性があります。
つまり、逮捕後釈放された場合には起訴されるまで国選弁護人が付かない可能性があるのです。
そこで、不起訴を望む場合には、示談交渉などに私選弁護人を頼む必要があります。
※強制わいせつ罪にあたり、勾留される場合や被疑者国選の対象となる可能性もあります。
また、逮捕された方が正社員や契約社員、アルバイトでも長期間の雇用がされているなど定職がある場合や学生である場合には、身柄拘束による弊害が大きく、両親や妻、雇用主が身元引受人となって、弁護人が勾留請求時に検察官や裁判官に被疑者に有利な事情を具体的に説明することで，「容疑を否認していても」早期に釈放される可能性もあります。
※被疑者の対象事件拡大の制度変更があり条例違反や児童福祉法、児童買春・ポルノ禁止法でも勾留された場合には被疑者国選事件の対象となります。
そのため、検察官に送致されたのち勾留決定がされた場合には全件被疑者国選の対象になる制度に変更になりました。
しかしながら、逮捕直後には国選弁護人は選任されませんので、勾留前に示談活動等を希望する場合には、私選弁護人を頼む必要があります。
早期の身柄解放の必要性
未成年者淫行については、裁判所も被疑者を勾留して長期間の身柄拘束することに慎重になってきております。ですので、『認めた方が反省しているということなり、直ぐに釈放されるのではないか』と、早く解放されたい一心で、未成年者の認識がなかったかなどの事情があるのに、事実に反して容疑を認める必要は全くありません。
早期に弁護士が面会して、被疑者に状況の説明をして、身柄解放に向けて活動することが冤罪の防止や早期釈放をするために必要になってきます。
未成年者淫行で逮捕された被疑者についてご依頼頂いて、親族の身柄引受書、本人の誓約書、弁護人作成の本人の供述調書を提出して釈放されるように裁判官や検察官に意見書を提出することが可能です。
示談の注意点
被害者の連絡先は被疑者の関係者にはわからないことが多いです。
そこで，弁護士に依頼して担当の検察官対して，被害者に示談の申し出があることを伝えて弁護士限りで連絡先の開示を受けて、弁護士から被害者に連絡をする必要があります。
被害者と示談が成立すれば、未成年者淫行について，不起訴（起訴猶予），略式起訴で罰金など，正式な裁判をしないで終わる場合もあります。
特に，被害者が未成年者である中学生や高校生等である場合には，親権者との示談交渉において慎重な配慮が必要になります。
