少年事件(犯罪少年・触法少年・虞犯)

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少年事件(未成年者の逮捕・補導)
弁護士(付添人)への早期相談を

お子さんが突然警察に連れて行かれた、補導されたという連絡が来た……そのような状況に直面した親御さんは、どうすればよいかわからず、大変なご不安の中にいることと思います。

少年事件は、大人の刑事事件とは まったく異なる手続き(少年審判)で進みます。手続きが進むスピードも速く、 最初の対応がその後の結果を大きく左右します。お子さんや家族のためにも、まずは弁護士にご相談ください。

少年事件とは

「少年事件」とは、20歳未満の者(少年)が罪を犯した場合、または犯すおそれのある場合に、少年法という特別な法律によって処理される事件を指します。成人の刑事事件とは目的も手続きも異なります。

少年法の目的は「刑罰を与えること」ではなく、「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずること」(少年法第1条)にあります。つまり、少年が社会に戻って自立できるよう、将来に向けた保護・支援を行うことが基本理念です。

少年事件の対象年齢

区分 年齢 内容
犯罪少年 14歳以上20歳未満 刑法に触れる行為をした少年。家庭裁判所送致が原則。
触法少年 14歳未満 刑事責任を問えないが、少年法上の保護処分の対象となる。警察の調査後、原則として都道府県知事または児童相談所長に送致され、必要に応じて家庭裁判所に送致される(少年法6条の6・6条の7)。
虞犯少年 14歳以上18歳未満
(17歳以下)
犯罪は犯していないが、その性格や環境から将来罪を犯すおそれがあると認められる少年。家庭裁判所に送致される場合がある。
※令和4年4月1日の改正少年法施行により、18歳・19歳(特定少年)は虞犯少年から除外されました。

⚠ 令和4年(2022年)4月1日施行・改正少年法のポイント

民法上の成年年齢が18歳に引き下げられたことに伴い、少年法も一部改正されました。少年法の適用年齢は 引き続き20歳未満のままですが、18歳・19歳は「特定少年」として以下のとおり扱いが異なります。

① 虞犯少年からの除外
令和4年4月1日以降、18歳・19歳の少年は虞犯少年の対象から除外されました。そのため、何ら犯罪を犯していないにもかかわらず、虞犯事由・虞犯性が認められるという理由だけで、18歳・19歳の少年が家庭裁判所に送致されることはありません。

② 逆送(検察官送致)対象事件の拡大
特定少年については、死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮にあたる罪(強盗・強制性交等・放火など)の事件では、原則として検察官に送致(逆送)されます。

③ 起訴後の実名報道解禁
特定少年が逆送されて起訴された場合には、成人と同様に実名・写真等の報道が許容されます。

成年(大人)の刑事事件との主な違い

少年事件と成人の刑事事件は、手続き・目的・処分の内容など多くの点で異なります。代表的な違いを以下の表にまとめました。

比較項目 少年事件(少年法) 成人の刑事事件(刑事訴訟法)
手続きの目的 健全育成・保護・矯正(将来志向) 犯罪事実の確認と刑事責任の追及
最終的な判断機関 家庭裁判所(少年審判) 地方裁判所・簡易裁判所(刑事裁判)
弁護人の呼び方 付添人(つきそいにん) 弁護人
身柄拘束の場所 少年鑑別所(観護措置)が原則 警察署の留置場・拘置所
手続きの非公開 審判は原則非公開 裁判は原則公開
処分の種類 不処分・保護観察・少年院送致・検察官送致(逆送)など 不起訴・罰金・執行猶予・懲役・禁錮など
前歴・前科 保護処分は前科にならない(原則) 起訴・有罪判決は前科となる
実名報道 原則禁止(特定少年の一部事件を除く) 報道規制なし(実名報道あり)

📌 「前科にならない」は重要なポイントです

少年審判での保護処分(保護観察・少年院送致等)は、刑事裁判による「前科」とは異なります。将来の就職・進学への影響が変わる可能性がある重要な違いです。だからこそ、 検察官送致(逆送)を防ぎ、家庭裁判所での処理で終わらせることが重要で、そのためには早期の弁護活動が必要です。

少年事件・手続きの流れ

少年事件は、成人の刑事事件とは大きく異なる流れで進みます。身柄を拘束された場合(逮捕・観護措置)、動きがとても速いため、早い段階で弁護士(付添人)に介入してもらうことが極めて重要です。

1

逮捕・補導

警察に逮捕または任意同行。逮捕後48時間以内に検察庁へ送致されます(成人と同様)。逮捕直後は弁護士(付添人)しか面会できないため、すぐに連絡することが最優先です。

※補導・任意同行の場合は逮捕ではなく、その場で帰宅できるケースもあります。

2

検察官送致・勾留または勾留に代わる観護措置

逮捕後、検察官が24時間以内に勾留請求か釈放かを判断します。少年の場合、通常の留置場ではなく「勾留に代わる観護措置」として少年鑑別所に収容されるケースがあります。

※付添人が勾留阻止・観護措置回避のための意見書提出・裁判官との面接を行うことで、早期の身柄解放が実現する場合があります。

3

家庭裁判所送致(全件送致主義)

少年事件は、軽微な事件を含め原則として全ての事件が家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。捜査終結後、原則として検察官から家庭裁判所へ事件が送られます。

4

観護措置・少年鑑別所(通常最大4週間)

家庭裁判所が少年の身柄を確保する必要があると判断した場合、少年鑑別所での観護措置が決定されます。期間は2週間が原則で、更新は通常1回に限られるため最大4週間(少年法第17条第4項)。ただし、死刑・無期・長期3年超の重大事件では更新が2回まで認められ最大6週間となります(同条第5項)。この間に家庭裁判所調査官による調査が行われます。

※付添人は観護措置決定に対して異議申立てを行うことができます。

5

家庭裁判所調査官による調査

調査官が少年本人・保護者・学校などへの調査を行い、少年の生活環境・家庭状況・非行の原因などを調査して審判に向けた報告書を作成します。付添人はこの段階でも積極的に関与します。

6

少年審判

家庭裁判所の裁判官の前で審判が行われます。非公開で行われ、少年・保護者・付添人が出席します。刑事裁判とは異なり、少年の成育環境・更生可能性が重視されます。

※付添人は審判の場で少年に有利な意見陳述・証拠の提出を行います。

7

審判の決定(処分)

審判の結果として、以下の処分が決定されます。

・不処分(審判なし・何も行わない)
・保護観察(社会内での更生を促す処分)
・少年院送致(施設での矯正教育)
・検察官送致(逆送)(重大事件で成人と同様に刑事裁判にかける)
・児童自立支援施設・児童養護施設送致

※付添人の活動内容によって、より軽い処分になる可能性があります。

⚠ 「逆送」(検察官送致)とは

家庭裁判所が「刑事処分が相当」と判断した場合、事件を検察官に送り返す「逆送」が行われます。逆送されると、成人と同様に刑事裁判にかけられ、有罪となれば 前科がつきます。16歳以上が故意に人を死亡させた事件では原則逆送とされます(少年法第20条第2項)。逆送を防ぐためにも、早期の弁護士介入が不可欠です。

弁護士(付添人)ができること

少年事件における弁護士は、「付添人」と呼ばれます。成人事件の弁護人と同様に、逮捕直後から少年に寄り添い、手続き全体を通じてさまざまな活動を行います。

  • 逮捕直後の即日接見(面会)
    弁護士(付添人)は逮捕直後でも少年と面会できます。少年本人の状況確認、黙秘権・供述の権利の説明など、取り調べに備えたアドバイスをいち早く行います。
  • 観護措置・勾留の阻止(早期身柄解放)
    少年鑑別所への収容(観護措置)を回避するよう、裁判官に意見書を提出し、面接を申し入れます。身柄が解放されれば、学校・職場への影響を最小限に抑えることができます。
  • 被害者への謝罪・示談交渉
    被害者がいる事件では、弁護士が間に入って謝罪の意を伝え、示談交渉を行います。示談の成立は、不処分や保護観察(より軽い処分)の実現に向けて大きく作用します。
  • 家庭裁判所調査・審判への積極的な関与
    調査官調査に対して、少年や家族の更生に向けた取り組み・環境調整の状況を説明します。審判では少年に有利な事情を詳しく陳述し、より良い処分の実現を目指します。
  • 保護者へのこまめな報告・サポート
    少年本人には面会できない時期でも、弁護士が保護者に手続きの状況をわかりやすく説明します。「今、何が起きているのか」を知ることで、ご家族の不安を軽減します。
  • 環境調整(学校・家庭・サポート体制の整備)
    家庭裁判所が重視するのは「少年の更生の見込みと環境」です。付添人は、学校との調整・専門家の支援の活用・保護者の監督誓約など、更生のための環境整備を法的な観点からサポートします。
  • 逆送(検察官送致)の阻止
    重大事件や繰り返しの非行がある場合、逆送のリスクがあります。付添人は、逆送を回避するための意見書提出・証拠収集を行い、少年事件の枠組みの中で解決することを目指します。

少年事件における早期示談・被害者対応の必要性

少年事件においても、被害者がいる事件では被害者への謝罪と示談の成立が非常に重要です。「少年だから示談は関係ない」というのは大きな誤解です。

示談が少年事件の処分に与える影響

家庭裁判所の審判では、単に「事実があったかどうか」だけでなく、少年の反省の深さ・被害回復の状況・再犯のおそれが総合的に判断されます。被害者への真摯な謝罪と、示談による被害の回復は、その重要な判断材料となります。

示談が成立していれば、不処分(審判での措置なし)や保護観察(社会内での更生)といった、より軽い処分が実現しやすくなります。逆に、被害者への対応をしないまま審判を迎えると、処分が重くなる可能性があります。

少年事件の示談は時間との戦い

少年事件の手続きは成人の刑事事件に比べてスピードが速いことが特徴です。逮捕から観護措置・審判まで、数週間単位で進んでいきます。その短い期間の中で被害者への連絡・謝罪・示談交渉を行うためには、逮捕直後から弁護士が動き始めることが不可欠です。

⚠ 被害者への直接連絡はしないでください

少年本人や家族が直接被害者に連絡を取ろうとすることは、「被害者への接触」として審判で不利に扱われる場合があります。示談交渉は必ず弁護士(付添人)を通じて行ってください。

被害者が未成年の場合の注意点

被害者が未成年者の場合には、その保護者(親権者)との示談交渉が必要になります。未成年者の被害事案は、保護者の感情・意向が強く反映されるため、より慎重な交渉が求められます。経験のある弁護士による丁寧な対応が、示談成立への近道です。

📌 「不処分・より軽い処分」を目指すために

少年事件では、弁護士(付添人)が積極的に動くことで、より軽い処分・審判での好結果を目指すことができます。逮捕の連絡を受けたその日のうちに弁護士に相談することが、最善の結果への第一歩です。

少年事件に関するよくある質問

Q. 子供が補導されましたが逮捕ではありません。弁護士は必要ですか?

逮捕されていなくても、警察・検察からの事情聴取や家庭裁判所への送致が行われる場合があります。「補導で終わる」と思っていても手続きが進むことがありますので、早めに弁護士に状況を相談されることをお勧めします。

Q. 国選の弁護士(国選付添人)では対応できませんか?

少年事件の国選付添人は、少年事件では、国選付添人は主に家庭裁判所に送致された後一定の要件のもとで選任されます。そのため、逮捕直後の取調べ対応や早期の示談交渉など、初動対応には十分に関与できない場合があります。早期釈放や示談成立を目指す場合には、より迅速に対応できる私選の付添人(弁護士)への依頼が有効です。

Q. 子供が少年院に入ることになりますか?

事件の内容・少年の年齢・これまでの経歴・家庭環境など、多くの要因によって処分は異なります。初犯や軽微な事件であれば、不処分・保護観察で終わる可能性があります。付添人が適切に関与することで、より軽い処分を目指します。まずはご相談ください。

Q. 学校に知られてしまいますか?

原則として、捜査機関が学校に通知する義務はありません。ただし、捜査過程で学校側に連絡が入ることや、少年鑑別所への収容中に長期欠席が生じることで発覚するケースがあります。早期に身柄を解放し、学校への影響を最小限に抑えるためにも、迅速な弁護活動が重要です。

お子さんが逮捕・補導された場合は今すぐご連絡を

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最短即日、川口警察署などへ接見に駆けつけます。

初回の電話・ウェブ相談・来所相談は無料です。
土日祝日・夜間も対応可能(予約制)。被疑者本人・ご家族からのご相談をお受けしています。

※当ページの内容は一般的な法律知識の説明であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。個別の事案については内容が異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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